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  • 執筆者の写真古陶磁鑑定美術館

出版記念展コラム❶ 図録掲載品 特別展覧会の開催について

この度、古陶磁鑑定美術館では、叢書「古備前焼の年代鑑定」の出版記念としまして、書籍に掲載している古備前焼の名品を、特別にウェブ展示にて公開する「オンライン展覧会」を開催できる運びとなりました。

古陶磁鑑定美術館は、2019年に、古陶磁を愛する数寄者や蒐集家5名で設立しました。


当初は、2020年にオープン予定でしたが、コロナウィルスの発生による世の中の変化によりまして、オンライン美術館への移行や、ウェブ展示へのシフトのための撮影、保管、管理作業などに時間を要してしまいまして、ウェブサイトオープンが、2021年へとずれ込んでしまいました。


最初は困惑の日々でしたが、逆に、完全オンラインで美術館を展開することで、世界中の方々にダイレクトでアクセスできる環境が生まれたのは、今や私たちにとってチャンスとなるでしょう。

古備前焼の年代鑑定 古陶磁鑑定美術館 古陶磁 古備前焼 古備前 古伊部

なぜなら、私たちは、他の美術館とは「設立目的」が大きく異なっているからです。


私たちは、「歴史に埋もれた名品」や「忘れ去られた逸品」に潜む「芸術・美」の再認識と、「古陶磁にまつわる未解決問題」を解明し、「過去を通して未来の日本の暮らしを豊かにする」ために設立された美術館です。


つまり、私たちは巷によくある守る美術館ではなく、「攻める美術館」なのです。

安土桃山時代から江戸時代の古備前焼は、古陶磁鑑定美術館に鑑定をお任せください。

それらの成果や研究結果をオンラインで公開できることで、より多くの方々に、古美術や日本の焼き物の歴史について、興味や関心を持ってもらえたら幸いに存じます。


日本には、まだまだ評価されていない素晴らしき歴史の遺品がたくさん残れされています。


それらの中から、「新しい美意識や芸術観を見出し暮らしに彩を加える」、そんな豊かさのある生き方をご提案できれば恐悦至極です。

古備前 窯印 古備前見分け方 古備前焼の年代鑑定は、古陶磁鑑定美術館にお任せください。

さて、今回の展覧会のテーマは、「備前焼」です。


備前焼は、土を成形し、乾燥させて、ただ焼いただけという、素朴な土味が特徴です。

こう聞くと、非常にシンプルな焼き物という印象を受けますが、ただそれだけだからこそ、その焼成による変化は千差万別で、一つとして同じ景色にならず、それが、いつまでも飽きの来ない愛着へと繋がっているのです。

備前焼の歴史は古く、すでに平安時代には、壺や甕や擂鉢などを焼いていますから、約1000年以上もの歴史を持っています。それも、開窯から現在まで、一度も火を絶やすことなく引き継がれています。


それだけ、人々に愛されてきたのです。

まさに備前焼は、日本の歴史と共に歩んできたと言える焼き物でしょう。


しかし、そんな備前焼の研究は、まだまだ未解決の謎や、整理されていない部分が多く残っており、年代鑑定や蒐集の際にも、真贋判定に苦労するケースや、贋作等を掴まされてしまうケースが、今も見受けられます。


それらは、非常にもったいないことです。


知識や情報がきちんと整理されていれば、もっと多くの方に、興味や関心を持ってもらえる美しさや芸術性を備前焼は秘めているのに、その価値が埋もれてしまっているからです。

今回の私たちの研究とその成果の発表が、そのような状態に、少しでも風穴を開けられれば幸いでございます。そして、日本の若い数寄者たちに、古備前焼の魅力を感じていただきたいと願ってやみません。


そんな思いで、当館最初の叢書「古備前焼の年代鑑定」を編纂しました。


当書では、古備前焼を、単なる骨董品や考古学品として年代や時代を鑑定するだけでなく、数寄者として、心から古備前焼を愉しんで頂くために、時代背景や歴史のドラマ等も踏まえて「モノ」を見る方法を伝授しております。


そんな古備前焼の魅力の一端を、この展覧会で感じていただけましたら、嬉しく存じます。

また、古備前焼の魅力をもっと知りたいと思っていただけましたら、当館叢書「古備前焼の年代鑑定」をお求めください。


2021/07/01 古陶磁鑑定美術館 館長



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出版記念展目次ページ: 出版記念展 ギャラリー目次

ギャラリーページ❶: 「安土・桃山時代の古備前焼

ギャラリーページ❷: 「慶長・江戸初期の古備前焼

ギャラリーページ❸: 「江戸前期~中期の古備前焼


※リンククリックで、展示会各ページをご覧いただけます。


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